2024年2月25日(日)~3月10日(日)の期間中に開催された、春季の海外で学ぶ分野別短期研修。
その「アイルランドで学ぶコミュニケーションと文化 (Communications and Culture in Dublin) 」プログラムに参加された國本 樹里さんからレポートが届きました!
今回プログラム参加を決めた理由は何ですか?
中高生の頃から漠然と海外に興味があり様々な国を訪れてみたいと思っていた。
高校時代は新型コロナウイルスの影響で海外に行く機会がすべてなくなってしまったため、大学に進学し海外へ行きやすくなった今がチャンスだと思い参加を決めた。
また、分野別短期研修のほかに大学が主催する中長期の留学プログラムへの参加も検討していたが、自分が海外で何をしたいのか具体的なビジョンがなかったため、まずは短期間のプログラムから参加し今後について考えようと思った。
現地到着後のオリエンテーションの内容や雰囲気を教えてください
(事前に動画で説明があったため)特にオリエンテーションの時間は設けられていなかった。
その日のプログラムごとにLINEなどで予定を共有された。
現地でプログラム中のサポートは十分にありましたか?
毎日プログラムについての詳細を丁寧に共有してくださったり、重要事項は日本語でも案内してくださったりと非常に手厚いサポートだった。
また天候不良でスケジュールが中止になった際も臨機応変に対応してくださり別のワークショップを楽しむことができた。
プログラム中、一番楽しかった・印象に残ったアクティビティ・イベントは何ですか?また、それはなぜですか?
Glendalough へのハイキングが非常に思い出深かった。
雨と風が強く、足場も視界もよくない中でのハイキングは、途中で何度も心が折れそうになったが、他の参加者たちと励ましあいながら最終地点まで辿り着いた。
雨ながらもそこからの景色に圧巻された。このような機会でないと滅多に行くことがないため非常に貴重な経験となった。
プログラム中、一番楽しかった・印象に残ったフィールドスタディー(会社見学など)は何ですか?
アイルランドの代表的なビール「ギネスビール」の工場見学が印象に残っている。
味はもちろん宣伝方法など、現在の地位を確立するまでの経緯を学んだ。
観光客用のガイドも豊富で実際に工場で作られたギネスビールの試飲もあった。
広い工場内では製造過程や歴史を可視化したオブジェやポスターなどが至る所にあり、非常に見ごたえのあるフィールドスタディーだった。
プログラム中、印象に残ったゲストレクチャー(ゲストスピーカーを招いての講義)は何でしたか?それはなぜですか?
文化についての以下の講義が印象に残っている。
わたしたちが普段認識している「見える文化」にはその文化の基となっている「見えない文化」が存在しており、実際にある文化の大半は後者である。
例えば日本特有の慣習であるといえる、食前・食後に手を合わせて「いただきます」「ごちそうさまでした」と唱える「見える文化」は、すべての動植物に感謝を述べるべきであるという自然を大切にする価値観、あるいはすべてに神様が宿っているという一種のアニミズム的思考が「見えない文化」として「見える文化」のもとになっている。
わたしたちが認識できるそれぞれの「見える文化」から「なぜこの文化があるのか?」と問うことで見えてくる「見えない文化」は文化をもつ人々の思考やものの視方そのものだと思った。
英語でディスカッションまた会話する機会は多くありましたか?
授業は基本的に講義形式だが、毎時間数回グループワークがありそこでは英語でディスカッションする機会があった。
しかしグループワークでもどの程度英語を用いて参加するかは個人の積極性によると思った。
また飲食店などではお店の人が観光客だと分かるとよく話しかけてくれるためよいコミュニケーションの機会になった。
とりわけ滞在したホテルでは室内でシステムトラブルがあり自分の言葉で状況を説明しなければならない機会が何度かあったためそれもよい経験になった。
最終発表(プレゼンテーション)の内容を簡単に教えてください
アイルランド人を日本に誘致するための日本の紹介、もしくはその逆。
自由行動の日(土日)はどのように過ごしましたか?
自由行動の日は土曜日のみだった。私は他の参加者とともにバスの西岸ツアーに申込み、モハーの断崖とゴールウェイを観光した。
モハーの断崖は、最高地点で200㎞を超える断崖が大西洋沿岸に沿って8㎞伸びており非常に壮大な眺めだった。
ゴールウェイは首都ダブリンとは大きく雰囲気が異なり、ストリートミュージシャンが多くいたり、伝統的なお店並んでいたり活気溢れる町だった。
アイルランドの東側に位置するダブリンから西岸まで国内をバスで横断したが、内陸部を含め地形や街の雰囲気が大きく変わる景色を楽しむこともできた。
他の参加者の中には、ダブリン城やタラの丘を訪れている人もいた。
また自由行動の日とは別に、授業が早く終わった日にはバレエの公演を観にコークへ行った。
交通関係でハプニングも起きたが、プログラム外で自力で調べ手配することも貴重な経験になった。
滞在先での生活はいかがでしたか?(設備や、自炊をどのようにしていたかなど)
滞在先のホテルでは各部屋二人で生活した。
部屋の中にキッチンがあり、調理器具やカトラリーが揃っているため頻繁に自炊を行っている人もいた。
私自身は2週間のうち3日ほどしか自炊をしておらず食費がかさんだが、現地の食事を楽しむという面ではよい選択であったと思いたい。
コインランドリーも設備されていたが、乾燥機込みで一回8€かかったため、何人かでまとめてかけている人が多かった。
また一階のラウンジは24時間使うことができ、フードやドリンクも充実していたため、そこで参加者同士で談笑したりプレゼンの制作をしたりしている人が多くいた。
現地に持って行ってよかったと思うものはありますか?また、持っていけばよかったと思うものがあれば教えてください
ハンガーと予備のボストンバック(帰りのお土産袋に使用)、日本食(お米パックやお茶漬けなど)は持って行き非常に役に立った。
ティッシュやお手拭き、衣類用洗剤は持っていく必要があった。
また、フード付きダウンは重宝した。アイルランドでは雨が降ったり止んだりを頻繁に繰り返し、風も強いため傘をさすよりフード付きのダウンを着る方が向いていた(現地の人も傘をさしていない人が多かった)。
2週間という短い期間でしたが、今回の留学先国で気づきや発見はありましたか?(文化の違いなど)
また、その国の魅力を教えてください
アイルランドでは様々な面においてアバウトであることに衝撃を受けた。
歩行者が赤信号で横断する様子を一日に何度も見かけた。また時間に関しても10~15分遅れることに何も問題を感じていない様子だった。
逆に日本が非常にルールや時間に関して敏感で正確であることに気が付いた。
また飲食店においては、店員が客に対して非常にフレンドリーであると思った。
店員と客がプライベートに触れることは、日本では稀であるがアイルランドではよく見られ、店員と客という関係、また働くスタイルが日本と大きく異なっていると感じた。
現地でお気に入りのお店や場所はありましたか?
ダブリンの街並みはどこも美しかったが、とりわけ滞在したホテルの近くを流れていたリフィー川沿いが特にお気に入りだった。
鳥が多く川に架かる橋からの眺めは非常に綺麗で、私にとって心を落ちつかせるスポットだった。アイルランドを訪れたらぜひ川沿いを散歩してほしい。
またアイルランドで有名なチョコレート“バトラーズ”のカフェは滞在中の行きつけだった。
チョコレートはもちろんドリンクの種類も豊富で、ドリンクを注文すると無料でチョコレートを一粒サービスしてくれる。
お土産用に購入したチョコレートも喜ばれた。
現地のスタッフから、リーダ/サブリーダーとして何か任されたこと、依頼されたことはありましたか?
またはご自身でリーダー/サブリーダーとして何か行動されたことはありましたか?それはどのようなことでしたか?
現地に入国・日本に帰国時の報告メールと体験談の提出、参加者のグループラインの作成。
また帰りのフライトで大幅な遅延があった際、ドバイでの乗り継ぎに間に合わない可能性があり、その場合の対応についてコーディネーターさんと連絡を取り合った。
今回のプログラム参加経験は、ご自身に何か影響を与えましたか?
文化についての新たな価値観や考え方を得たと同時に、より海外・異文化への興味が湧いた。
異文化に触れることを通して自分とは異なった価値観やものの視方を知りたいとより強く思うようになり、またそのために必要な語学力も身に着けるべく、日々努力していきたいと思った。
最後に、分野別短期研修への参加を考えている方にメッセージ(お勧めポイントなど)をお願いします!
留学をするか悩んでいる方、純粋に海外で異文化に触れてみたい方、少しでも分野別短期研修や海外に興味があるなら参加することをお勧めします。感染症や世界情勢の変化など今後いつどこで何が起こるかわからないため、チャンスがあるときに思い切って行くべきだと思います。
語学力に不安があっても、サポートが充実していますし参加者同士で助け合いながら生活できるかと思います。もちろん費用面でも懸念があるかと思いますが、学生時代に見聞きし感じたことはお金に変えられない一生ものの経験になると思います。
レポートとたくさんのお写真をありがとうございます!
「学生時代に見聞きし感じたことはお金に変えられない一生ものの経験になる」まさにその通りだと思います!アイルランドやイギリスの辺り特有の天候の影響をダイレクトに受けられたようですが、それでも楽しかった!と言って頂けてよかったです。
これからも応援しています!
國本 樹里
2024年春季の海外で学ぶ分野別短期研修リーダー。
早稲田大学から、アイルランドで学ぶコミュニケーションと文化 (Communications and Culture in Dublin) に参加。