今月取り上げる「注目のSAFスタッフ」は、デヴェシュ・モンダル(Devesh Mondal)。シカゴのSAF本部に勤める国際入学管理(GEM:Global Enrollment Management)スペシャリストです。デヴェシュは日本での生活と教職の経験をシェアし、この貴重な経験がどのようにして彼自身を学生たちが自分の留学の冒険に出発する手助けをするように促したのかを語ります。お気に入りの趣味や、海外留学に挑む学生たちに贈る貴重なアドバイスを聞いてみましょう。
SAFでどのような仕事をしていますか?
DM:SAFでは、GEM(グローバル入学管理)スペシャリストとして働いています。GEM部門はプログラムチームや各国オフィスと密に連携し、主に内部システムで学生をうまく組み入れる役割を担います。選んだプログラムに参加するために学生が提出した書類を回収・点検し、最終的に申込書としてまとめて各教育機関に提出しています。
海外留学の業界で働くようになったきっかけは何ですか?
DM:2022年から2023年にかけて、東京で海外生活を送る機会を得ました。現地では、専門学校で英語のアシスタント講師として勤務していました。当時、日本の渡航・入国制限が緩和されつつあり、私たちの大学では留学部門の再活性化を目指していました。私は、学生たちに提供しているプログラムへの参加を促すサポートを行い、加えて、留学先での生活に備えるための補助的な授業も担当していました。海外留学が学生たちにどれほど大きな影響を与えるのかを目の当たりにし、彼らが現地で得た経験に対する反応を見たことで、私はこの業界でのキャリアをさらに追求したいと強く思うようになりました。

実はあまり知られていない、あなたに関する面白い話はありますか?
DM:料理とお菓子作りが大好きなんです。私は子どもの頃から、母を手伝ったり、自分で何かを作ったりと、キッチンで過ごす時間がけっこう多かったんです。今でもYouTubeで料理動画を見たり、料理本をパラパラめくったりしながら、新しいレシピを試すのが好きです。今のお気に入りのお菓子作りの本は、クレア・サフィッツの『Dessert Person』です。
仕事の外で特に打ち込んでいる趣味や活動は何がありますか?
DM:音楽を心から楽しんでいます。子どもの頃からクラシックピアノのレッスンを受け始め、自分でギターも弾き始めて、今でもずっと続けています。高校時代にはビオラも演奏していて、室内オーケストラにも参加していました。いつも音楽を聴いていて、新しい曲を覚えては演奏しています。人生で一番好きなアルバムは、ビートルズの『アビイ・ロード』です。仕事をしていないときは、たいていピアノの前にいるか、ソファでギターを弾いて過ごしています。
今までで一番記憶に残っている旅行は何ですか?
DM:東京に住んでいたとき、友人と一緒に富士山に登りました。それまで二人とも本格的な登山経験はなかったのですが、なぜか「体力には自信があるし大丈夫だろう」と思っていたんです。朝に登り始め、昼頃にはなんとか七合目に到着。そこで一晩過ごす予定でした(正確には「寝ようとした」だけかもしれませんが)。そのあたりで、私たちはそれぞれ内心で「これはさすがに無理かもしれない……」という不安な気持ちを抱き始めました。体は痛いし、寒いし、疲労も限界。それに高山病の症状も出始めていました。幸運だったのは、目が覚めたあとも、お互いにその不安を口にしなかったことです。もしどちらかが「やめよう」と言っていたら、おそらくそのまま下山していたと思います。痛み止めを飲み、装備を整えて、私たちは夜通し頂上を目指して登りました。朝5時頃、ついに山頂にたどり着き、地平線の向こうから太陽が顔を出すのが見えました。富士山の頂上から見た日の出は、これまで見た中で一番美しいもので、写真では到底伝えきれないほどでした。登るのも下るのも本当にきつくて、翌週は階段を上るのも大変だったくらいですが、それでも、あの景色を思い出すと「また登りたいな」と思ってしまいます。


海外留学を考えている学生にアドバイスを1つ贈るとしたら何ですか?
DM:もし留学することを決めたなら、スポンジのようにあらゆる経験を吸収するつもりで行動してみてください。最初は圧倒されることもあるかもしれませんが、心を開いて現地のコミュニティや文化に深く関わってみることで、教科書では得られないような新しい視点、強く長く続く友情、そして貴重な知識を得ることができるはずです。

海外留学は学生の人生をどのように変えると思いますか?
DM:私たちは誰しも、自分では気づかないうちに、光を通さないシャボン玉のような殻に周りを包まれて育ち、世界の他の部分から自身を心理的に隔ててしまうことがあります。その殻の中には、自分の人生や故郷、経験、友人や家族など、自分にとっての世界が詰まっています。内側にいると、自身の世界が広大に感じられるかもしれません。しかし、いざ海外に出てみると、殻の壁が少しずつ透けて見えるようになり、自分の世界が実はとても小さかったこと、そして本当の世界は驚くほど広く、多様であることに気づくのです。
デスクや仕事場に常に置いているものを何か1つ教えてください
DM:残念ながら、1日を通して積み上がっていく書類や事務用品を除けば、職場の私のデスクは極めて殺風景です。ですが、自宅のデスクには、私が大切にしているものがたくさん置いてあります。机上にいつも置いているものの中には、日本で知り合った友人たちからもらった何通もの手紙があります。
著名人(故人でも存命でも)を1人招き、海外留学について学生に話してもらうとしたら、誰を選びますか?
DM:(シェフ・作家であった)アンソニー・ボーディン(Anthony Bourdain)を呼んで、学生に海外留学の話をしてもらえたらよかったと思います。ボーディンがしたのは必ずしも「海外留学」ではありませんが、世界をまたにかけたその幅広い業績を通じて、「海外体験」にどんな意味があり、どんな感覚になるかを、完璧に体現していました。踏みならされた道から常に外れ、自分の枠の外に出て、現地の風景や文化に自分自身を没入させていました。よいことも悪いことも、嫌なことも、すべてをその目で見ていました。もしボーディンがあの素晴らしい語り口で学生に講演をしてくれたとしたら、感動を呼び起こしたに違いありません。
SAF設立25周年はあなたにとってどのような意味がありますか?
DM:25周年を迎えるにあたり、ここまでやってくることができたという事実が示しているのは、組織として逆境や課題に直面することがあるとしても、私たちは常に他を上回る品質を維持し続けており、これからもずっとそうし続けることができるということです。私たちは学生を最優先に考えています。できる限りのことを行って、可能な限り最高の体験をしてもらえるようにしています。学生を海外に送り出すには多数の人の力が必要です。ここにいる全員が、常に上を目指し、各自の役割を果たしています。
SAFの創設者や初期のチームメンバーにどんな言葉を伝えたいですか?
DM:「ありがとうございます」と言いたいです。誰もが海外に留学したり旅行したりする機会が得られるわけではありません。その中で、さらに多くの学生にそうした機会を提供しようと組織を創設し、成長させてきたことは、素晴らしいことだと思います。特に未経験の人にとって海外留学の意義というものは、、はっきり分かりにくい部分もあるでしょう。SAFのような組織が存在し、学生が海外留学に対して感じる高いハードルを下げることの重要性は特に強調すべきだと思います。