2024年春(3/10〜24)、大学2年生の終わりにスタディツアー「ローマで学ぶイタリア食文化とサステナビリティ」に参加された片山美鈴さん。
充実した現地での日々と体験の数々が、その後の進路選択や美鈴さんの現在にどのような影響を与えたかなど、思い出を振り返りながらお話を伺いました。
視野を広げたい! その気持ちがイタリアへの第一歩に
このプログラムに参加しようと思ったきっかけや決め手について教えてください。
「自分の視野や価値観を広げたい」そんな思いから、留学を考え始めました。もともとは多文化社会であるオーストラリアへを希望していましたが、大学のプログラムには該当するものがなく、新たな選択肢を探す中で出会ったのがSAFのイタリア研修でした。決め手となったのは「食」というテーマです。食に関わる仕事に興味を持っていたので、食文化が豊かなイタリアでの学びは理想的でした。
到着後のオリエンテーションやプログラム中のサポートは十分でしたか?
長時間のフライトを経て到着し、慣れない環境に疲れもありましたが、それ以上に印象に残ったのは現地スタッフの皆さんの温かさでした。明るく親しみやすい雰囲気と丁寧なオリエンテーションにより、不安はすぐに安心へと変わりました。
プログラム中のサポートも非常に充実していました。SIMカードの設定に失敗した際にはスタッフが同行して購入を手伝ってくれたり、体調不良者が出た際には迅速に病院を手配してくださったりと、細やかな対応が参加者の安心感につながりました。「海外での生活が不安」という人でも、この環境なら安心して挑戦できる——そう感じられる出来事でした。
「体験」しながら学んだからこそ何度も訪れたい国に
印象に残っている場所やエピソードなどあればぜひ教えてください
今回のプログラムの魅力は、観光では終わらない“深い体験”にあります。とくに印象的だったのが、ローマ市内とバチカンを巡るシティツアー。ガイドによる解説を通して、ただ建物を見るだけでは気づけない歴史や文化の背景に触れることができました。例えば、街角にある「エディーコラ」と呼ばれる立体的な装飾には、曲がり角に溜まりやすい悪霊除けのお守り的な役割があるそうです。こうした細やかな知識が、街歩きをより豊かで楽しいものにしてくれました。
さらに心に残ったのが、ローマのレビッビア刑務所内にあるパン工房「Cookery」を見学したことです。パン生産を通じた社会更生プロジェクトを行っており、面接等で選ばれた受刑者が工房内で働いていたり接客したりしています。働く受刑者に直接お話を聞くことができ、社会復帰するためにこの取り組みが彼らにとってどれだけ有難いものであるのか、またこのプロジェクトを行う側の大変さを知ることができました。受刑者にお会いすることも、刑務所内に入ることも、特別なことがない限り体験できないので非常に印象に残っています。また、パンや総菜を食べさせていただき、クオリティ、販売量の多さに非常に驚きました。ぜひ多くの人に知ってもらいたい取り組みです。
また、ゲストレクチャーによるオリーブオイルのテイスティングは非常に興味深い体験でした。新鮮なオリーブオイルは、すすって飲むと喉にピリピリした辛さや苦味を感じます。鼻で嗅いだときと口から飲んだときとでは、香りがまったく異なることに驚きました。
フィールドワークやプレゼンの授業等でとくに心に残っているのはどのような学びですか?
授業だけでなく、自由時間もまた大切な学びの時間でした。週末には街を歩き回り、教会や雑貨店を巡るほか、フィレンツェまで足を延ばして美術館を訪れることもありました。こうした日常の中で感じたのは、イタリアの人々が大切にしている価値観です。効率や便利さを重視する日本とは異なり、人とのつながりや時間の流れを大切にする文化。首都ローマでさえ、どこか穏やかでゆったりとした空気が流れていました。
また、フードロス団体「RECUP」の活動に半日参加し、市場でロスになった売物を回収する作業を体験しました。この団体は色々な場所に赴き直接スタッフが回収して寄付をします。日本もフードロスの取り組みは行っているものの、ロスになったものを指定の場所に持ってきてもらう方式が多いようです。労力はかかっても、イタリアのように直接赴いてロスの食品を回収する方が回収量は多くなるだろうという内容を話し合って発表しました。実際に現地団体の活動に参加し、日本との違いを比較・発表した経験は、社会課題への意識を大きく変えるきっかけとなりました。
短期留学がくれたもの〜未来への新たな指針
このプログラムに参加したことで自分の中での変化はありましたか?
プログラムを通して、私の中で大きく変わったのは「将来への意識」です。それまで明確ではなかった進路が、「食に関わり、社会に貢献したい」という形で具体化しました。その思いを胸に就職活動を行った結果、IT・AI に強みを持つ企業に内定しました。その会社はAI を利用した農業の効率化など、食に関わる取り組みも行っているので、いつかそういう方面で間接的にでも関わりたいと思っています。
イタリアでの経験が、異なる分野と分野をつなぐ新たな視点を与えてくれました。また、親戚がフードロスのボランティアに参加しているので、私もいつか加わりたいと考えています。
参加を迷っている人へのメッセージがあればお願いします
知っている人がいないからとか、異国の地での滞在が不安だから、という理由で悩んでいるのであればぜひ参加してみてほしいです。SAFのプログラムは、外国でも安心して過ごせるようにしっかり対応してくれますし、人見知りの激しい私でも最初から楽しく過ごすことができました。参加者のほとんどが初めて同士なので、助け合って楽しく生活できると思います。普段の旅行では絶対に体験できないことを沢山経験できるので、ぜひ勇気を出して参加してみてください!
最後に、決して安くはない参加費にも関わらず、理解し参加させてくれた両親の懐の深さには感謝しています。また遅い時間の出発でしたが、両親ともに空港まで見送りに来てくれたことが少し意外だったので心に残っています。