米国政府が長年運用してきた「Duration of Status(D/S)」制度の終了を決定したことは、留学生に関する移民制度における大きな転換点となります。
1991年以降、D/S制度のもとでは、F-1およびJ-1ビザを持つ留学生は、在留資格を維持し、学業において適切な進捗を続ける限り、米国内に滞在することが認められていました。しかし、新たな制度では滞在期間があらかじめ定められ、延長手続きも必要となるため、学生および教育機関の双方にとって、事務手続きの負担や不確実性、コンプライアンス上の義務が増加することになります。
こうした変化により、将来的に米国で学位取得を目指す学生やその家族は、進学をより慎重に検討するようになる可能性があります。そのような状況において、留学プログラムはこれまで以上に魅力的な選択肢となります。学期留学、サマープログラム、1年間の留学プログラムでは、学生は世界トップレベルの米国大学で学びながら、在籍大学での学位取得に向けた学修を継続することができます。また、学術的な成長や異文化体験、国際的な視野を得られるだけでなく、学位取得を目的とした長期留学と比べて費用負担や移民制度上のリスクを抑えられるというメリットもあります。
さらに、留学プログラムへの参加により、学生は自国の就職市場や専門的なネットワーク、将来のキャリアとのつながりを維持しやすくなります。同時に、異文化理解力、適応力、コミュニケーション能力、問題解決力、レジリエンス、グローバルな視野といった、現在高く評価されるスキルを身につけることができます。こうした経験は、自立性や知的好奇心、多様な環境で活躍できる能力を示すものとして、大学院や専門職課程への進学にもプラスに働きます。
SAFは、近年留学生が直面してきたさまざまな課題を踏まえると、D/S制度の廃止について大変残念に思います。近年、留学生はビザ面接予約の遅延、ビザ取消し、渡航制限、そして国際的な学生移動を取り巻く不透明な状況など、多くの課題に直面してきました。このような動きは、長年にわたり米国の大学や地域社会に貢献してきた優秀な留学生にとって、米国の魅力を低下させる可能性があります。
それでもなお、SAFは国際教育へのアクセス拡大と、世界で学ぶ機会を求める学生への支援に引き続き取り組んでいきます。私たちは、教育交流がグローバルな視野を持つリーダーを育成し、異文化理解を促進し、相互につながる世界で活躍する力を養うものであると強く信じています。
SAFプログラムへの影響について
今回の制度変更による影響は、SAFプログラムの大多数において限定的であると考えられています。これは、多くの学生が参加する学期留学、サマープログラム、1年間の留学プログラムは、開始日と終了日が明確に設定されており、新たな制度の枠組みに適合しやすいためです。
一方で、一部の特別なプログラムについては、より慎重な対応が必要となります。例えば、語学研修から学部授業履修へと進む進学準備型プログラムについては、学生が学修期間全体を通じて適切な在留資格を維持できるよう、SAFは提携大学と緊密に連携しています。また、学業とインターンシップを組み合わせたプログラムについても、法令を遵守しながら貴重なキャリア形成の機会を継続できるよう、各教育機関と協力を進めています。
学生が特に留意すべき実務上の変更点として、F-1ビザ保有者に認められていたプログラム修了後の猶予期間(Grace Period)が、これまでの60日から30日へ短縮されることが挙げられます。これにより、プログラム終了後に米国内で旅行や観光を行うための時間が短くなります。学生の皆さんは早めに計画を立て、必要に応じてSAFアドバイザーへ相談することをおすすめします。
制度を取り巻く環境が変化しても、SAFの使命は変わりません。私たちは、きめ細かなアドバイス、強固な大学とのパートナーシップ、そして綿密な計画を通じて、学生の視野を広げ、キャリア形成を支援し、グローバル社会で活躍する力を育む質の高い国際教育の機会を提供し続けます。