SAFは、2025年2月21日(金)京都外国語大学にて SAF Annual Meeting 2024年度末 年次総会を開催しました。

これまで東京で開催されてきたSAF年次総会が、今回初めて関西で開催されました。これにより、新たな参加者との交流が生まれ、地域ごとの課題について意見を交わす貴重な機会となりました。
また、今年は対面のみでの実施となりましたが、全国から16大学・30名(うち11大学がSAFメンバー校)の皆様にご参加いただき、盛況のうちに終了しました。

Agenda:
- 開会の挨拶
- SAF 2024年度 活動報告
- 事前アンケート結果共有
- 派遣・受け入れ留学の動向
- 学生の留学傾向の変化
- 課題(英語力・費用・滞在先不足 など)
- 学生サポート:最近の動向
- ビザ・滞在先確保の最新情報
- 緊急時対応の強化
- 学生サポートの事例紹介
- 学生体験談
- ディスカッション・情報交換
- SAFからのお知らせ
- 閉会の挨拶
キャンパスツアー(13:00~)
キャンパスツアーでは、まずSAF日本事務局の京都オフィスが所在する国際部・留学情報室(4号館2階)を訪れました。ここでは、学期中の活動の様子や、学生が気軽に相談できる環境づくりのためにどのようにイベントや駐在員がサポートを行っているかについて説明がありました。

次に訪れた図書館では、明治時代に外国語で出版され、日本ではほとんど流通していないちりめん本(Japanese Folk Tales)や、1623年に初版が刊行されたウィリアム・シェイクスピアの作品とその作品研究など、貴重な蔵書が紹介されました。これらの歴史的価値や文化的背景について詳しい説明を受け、参加者にとって貴重な学びの機会となりました。

年次総会(14:00~)
総会ではまず京都外国語大学の黒住淳人教授より、留学支援の重要性と今後の展望について、自身の体験を交えたメッセージが述べられました。関西での初開催を歓迎し、より多くの大学・学生と連携を深める機会になることへの期待が寄せられました。

SAF 2024年度活動報告
続いて、SAF日本事務局ディレクター ブレット・ラミンジャー(Brett・Rumminger)より、2024年度の活動実績や、メンバー大学との連携強化に関する報告が行われました。

新規パートナー大学と新プログラム
ラミンジャーまず、2024年度に新たにSAFのパートナーとして加わった5つの大学を紹介しました。
- 拓殖大学
- 札幌市立大学
- 千葉商科大学
- 上智大学
- ZEN大学
新たな協力関係に対して感謝の意を述べるとともに、今後の連携強化に期待を寄せました。
また、新たな留学先として加わった大学とプログラムについても発表がありました。
- ダルハウジー大学(カナダ)
- 語学力強化プログラム
- 語学+コンカレントプログラム
- ダブリンシティ大学(アイルランド)
- 語学力強化プログラム
- 学部授業履修(語学科目付き)
- 語学+学部授業履修(語学科目付き)
- 学部授業履修プログラム
- 漢陽大学(韓国)
- 学部授業履修プログラム
- インターンシッププログラム
- 学部+インターンシッププログラム
これらの新しい留学先とプログラムを通じて、より多様な留学ニーズに対応し、学生が専門分野の学びを深める機会を提供していきたいと強調しました。

2024年度のSAFプログラムを通じた海外留学者数は489名と、新型コロナウイルス流行前の2019年を上回る結果となりました。
新しいプログラムの展開
次に、2025年度に向けてより実践的かつ多様な学びを提供する新プログラムの紹介を行いました。

- Exchange + Internship モデル(2025年開始)
- 交換留学を終えた学生をターゲットとした留学モデルで、学生が国際的な職務経験を積むことができるインターンシッププログラム。
- 交換留学で身につけた語学力を実践的に用いて、国際的なキャリア形成に繋げる「次の第一歩」をサポート。これにより、帰国後の就職活動においても強みとなる実務経験を得ることができます。
- IESのインターンシップ部門と協働のプログラムと、留学先大学で学部授業履修しながら行うアカデミック・インターンシッププログラムの二種類があります。
- 短期専門研修プログラム(Study Tours)(プログラム詳細はこちら)
- 従来の語学研修型留学とは異なり、特定の専門分野に特化した短期研修プログラムを展開。
- ナノテクノロジー、AI、サステナビリティ、国際関係など、先端的かつ社会的に重要な分野をテーマとしたプログラムが用意されています。
- 2025年度の新プログラムとして、「南アフリカ・ケープタウンで学ぶコミュニティ開発」研修を発表。このプログラムでは、地域社会の発展に関する実践的な学びを提供し、社会貢献活動にもつながる内容が予定されています。
事前アンケート結果共有
次に、SAF日本事務局 アシスタントディレクターの上林奈津子より、事前に実施した留学派遣・受け入れ状況に関する調査結果の発表が行われました。

事前に実施したメンバー大学・学部及び総会参加の非メンバー大学を対象としたアンケートによると、2024年度の交換・協定派遣留学の渡航者数は以下の傾向が見られました。
- 中長期(1学期~1年)の派遣者数 → 前年とほぼ同水準
- 短期派遣者数 → 前年より増加傾向
また、国別の渡航者数を分析したところ、アメリカへの留学希望者が減少し、英語で学べる欧州(オランダ、デンマーク、フィンランド、ベルギー)への希望者が増加。さらに、韓国をはじめとするアジア圏への留学希望者も増えていることが分かりました。
また、アンケートからは以下のような学生の変化も明らかになりました。
- 英語要件の未達により交換留学を諦める学生が増加
→ 英語力そのものの低下というより、「目標を高く設定しない」「努力を続けにくい」学生が増えている傾向が見られる。
- 留学費用の高騰が大きな課題
→ 費用負担が増加しており、奨学金や支援金の拡充が求められている。
- 「キャリアにつながる留学」を重視する学生が増加
→ 短期プログラムやインターンシップ付き留学を選択する傾向が強まっている。
今回の調査結果をもとに、SAFは学生のニーズに対応した多様な留学プログラムの提供を進めていきたいと考えております。

学生サポートにおける最近の動向
次に、 SAF日本事務局 シニアマネージャー・プログラムアドバイジングの大場理恵より、留学中の学生が直面する課題や、それに対するサポートの取り組みについて報告がありました。

大場はまず2024年から導入された危機管理システムAlertMediaについて紹介。アメリカ大統領選のデモ活動やアメリカ西海岸地震、ロサンゼルス山火事の際に学生への注意喚起に用いられました。
次に、実際に2024年度に対応を行ったサポート事例を
- 新型コロナウィルス感染症悪化によるICUへの入院
- 学生寮の大規模水漏れにより滞在ができなくなってしまった
- 短期プログラムで帰国直前に新型コロナウィルス感染の疑い
総会後半では、2024年にイギリスのウェストミンスター大学への留学を経験した京都外国語大学大学4年生による体験談の発表がありました。
「わくわくハンター」としてロンドンで過ごしたビビッドな毎日の様子を、沢山の素敵なお写真と共に報告してくださり、参加者からこの日一番の拍手が送られました。


ディスカッション・情報交換
休憩後には、今後の留学支援のあり方についてディスカッションが行われました。

今年は事前に募った関心のある議題ごとにグループ分けを行い、より深いディスカッションを実施。例年、時間が足りないという声があったため、今回は議論の時間を80分と長めに設定し、活発な意見交換が行われました。
レセプションパーティー(17:00~)
総会の締めくくりとして、参加者同士のネットワーキングを深めるレセプションパーティーを開催。
レセプションパーティーは舞妓 佳つ若 さんの舞と共にスタートしました。京都らしいおもてなしに、参加者からは温かい拍手が送られ、華やかな雰囲気の中で交流が始まりました。

参加者同士がリラックスした雰囲気の中で会話を楽しみ、各大学の国際交流担当者やSAFスタッフとの情報交換も活発に行われました。
美しい舞とともに提供された料理も好評で、留学支援の今後について意見を交わしながら、親睦を深める貴重な機会となりました。



SAF年次総会が初めて関西で開催されたことで、新たな視点から留学支援の未来について議論する貴重な機会となりました。 SAFはこれからも、より多くの学生が世界に飛び立てるよう支援を続けてまいります。
来年のSAF年次総会は、中央大学の皆様にご協力頂き、中央大学 多摩キャンパスで開催予定です。
今後のSAFの活動にもぜひご注目ください!