2024年 3月10日(日)~3月24日(日)の期間中に開催された、2024年春季の海外で学ぶ分野別短期研修。
その「イタリア食文化とサステナビリティ (Italian Food Culture: Traditions, Community, & Sustainability) 」プログラムに参加された山崎 遥さんからレポートが届きました!

今回プログラム参加を決めた理由は何ですか?
私はもともと、中学生の時に偶然参加した学校のプログラムで5日ほどカナダのバンクーバーに留学したことがありました。
その時こそもっと短期での研修だったにも関わらず、初めての海外なこともあり、どの場所・どの経験も本当に新鮮で刺激的で、その時に感じた「国が違うだけでこんなに世界が違うのか!」という熱烈な興奮が忘れられず、必ずまた海外に行きたいという強い思いが自分の中にずっとありました。
そして高校を卒業して大学生になり、気が付いたら2年生になっていた私は、「3年生になる前に絶対短期留学しよう」と決めて、10月に早速大学主催の留学フェアに行って情報を集めました。その時に、私の理想の「期間・場所・時期」にピッタリ当てはまったのがこのプログラムでした。
2週間という短期集中プログラムで、食の国イタリアの首都ローマで、春休みの長期期間に英語で食文化を学ぶことができるという点すべてが魅力的でした。
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現地到着後のオリエンテーションの内容や雰囲気を教えてください
成田空港を出発したのは日本時間22時と遅い時間で、現地に着いたのは現地時間で翌日の昼頃でした。
フライト中休んでいたはずが意外と現地に着くとみんな疲れていましたが(そしてほぼ24時間経っていたので、みんなシャワーを浴びたいと言っていました😂)ホテルに荷物を置いてすぐにオリエンテーションに参加しました。
IESセンターという教育施設にお世話になっていたのですが、そこのNike先生が、ローマ滞在中の注意事項やイタリアという国についての紹介をプレゼンしてくださいました。
さらには、私たちにIESセンターのロゴ入りのオリジナルタンブラーのプレゼントもあり、みんなで喜んでいました。
その日のウェルカムディナーも、Nike先生やフラミニアと一緒にいろんな話をしながら食べることができて、非常に楽しい時間になりました。
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現地でプログラム中のサポートは十分にありましたか?
ありました。メンバーの一人が熱を出してしまった際も、臨機応変にプログラムの内容(時間)を変更してその子の治療のために時間を割いてくれたと聞きました。また、美術館の団体予約やシティツアーの手配もとてもありがたかったです。
また、バスの定期券も購入してもらっていて、とても活動しやすかったです。

プログラム中、一番楽しかった・印象に残ったアクティビティ・イベントは何ですか?また、それはなぜですか?
友達になった千葉大学のみんなとローマ・フィレンツェの街を歩きながらいろんなお店に寄って買い物をしたことです。
このプログラムの良いところは自由時間が多くて自分で街を探索する時間がたくさんあったことだと思います。
また、夜ご飯の時間は基本的に自由だったので、滞在先のホテルの屋上にあるテラスでみんなで惣菜やパン、ワインを持ち寄ってパーティーをしたのも楽しかったです。

プログラム中、一番楽しかった・印象に残ったフィールドスタディー(会社見学など)は何ですか?
私が最も印象に残っているのは、ローマのレビッビア刑務所内にあるクッカリーのパン工房・デリ厨房を訪れたことです。
事前学習で「罰は人道的なものでないといけない」という刑法の思想が根幹にあることから、受刑者も普通に働いていて、そのパンも普通に売れている、という話を聞いていました。
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しかし実際に見てみると「なるほどこのように受刑者が更生していくのだな」という感覚より、「刑務所の外にもありそうな、普通のパン工房だったな」というのが印象的でした。
「更生施設」や「社会復帰支援のための労働」という側面はもちろんありながら、現地の人はそれを当然のようにやっていて、刑務所の外にいる人と区別せずに「普通に、パン職人として」働く環境を作っているのが、とてもかっこいいと思いました。
また、このプロジェクトは企業も人手不足問題を解消しつつ、社会に対するアピールもできるというウィンウィンなもので、「食」を通じて自然に人が社会を構成しているのはさすが「食の国」らしいやり方だなと思いました。
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プログラム中、印象に残ったゲストレクチャー(ゲストスピーカーを招いての講義)は何でしたか?それはなぜですか?
コラッジョ農業組合のジャカモさんのお話が印象的でした。
若者ながらに農業の問題に取り組み、ローマの土地を農地にしながら同時に若者や社会的な立場が弱い人の就職先になるという点でも社会問題に貢献していて感動しました。
ローマに、これからもジャカモさんのような人が増えていけばいいなと感じました。

英語でディスカッションまた会話する機会は多くありましたか?
ディスカッションというよりはフラミニアやナイケ先生、ベネデッタ先生との会話の機会が多かったです。
全体として自分の考えをアウトプットする機会が最終の発表のみだったので(私はインスタグラムの更新があったのでまとめていましたが)、自分の考えを英語で発信する機会があまりなく、必要な会話を英語で行ったり、シティツアー(英語)の際に一生懸命リスニングする機会が多かったかなという印象です。
その分、言い換えると言語的なハードルが高すぎなくて、いろんな人が参加しやすいのではないかと思います。

最終発表(プレゼンテーション)の内容を簡単に教えてください
犯罪者の更生プログラムに興味を持ったので、「社会的弱者の社会復帰のためのプログラム」と少し広めに枠を設定して、ほかの事例を調べました。
するとほかにも様々な事例があり、パレルモの少年院でも今回見学したクッカリーのような菓子工房での勤務を行っているプログラムがあったり、刑務所内にレストランを開いている事例や、社会的に立場が弱い人が勤務する新規ホテルのプロジェクトもあったので、それもみんなに紹介しました。
自由行動の日(土日)はどのように過ごしましたか?
私は、本当はヴェネツィアかナポリに行こうと思っていたのですが、ナイケ先生に距離・治安的な観点からやめておいたほうが良いとアドバイスをもらったのでフィレンツェに変更しました。
フィレンツェを行先に設定した人は多く、半数はフィレンツェに行っていたと思います。

アカデミア美術館でダビデ像を見て、ドーモのある広場を通って、ヴェッキオ橋まで足を延ばしました。
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革製品の市場を見るのがとても楽しく、家族のお土産はほとんどここで買いました。
また、みんなでサンタマリアノヴェッラの本店に行き、夜ご飯はフィレンツェ名物のTボーンステーキを食べて、列車に乗ってローマに帰りました。
短い時間でしたがとても充実していて楽しかったです。
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滞在先での生活はいかがでしたか?(設備や、自炊をどのようにしていたかなど)
滞在したホテルは比較的きれいでした。友人は部屋の異臭が気になったためフロントに申告したら部屋を変更してもらえたそうです。
ご飯は朝食が付いていたので、毎日活動前にご飯を食べてから動けるのがありがたかったです。
その分夜ご飯は各自で済ませる必要があったので、いろんなレストランに行きました。
友人と「安くて美味しかったお店」を共有しあっていました。
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現地に持って行ってよかったと思うものはありますか?また、持っていけばよかったと思うものがあれば教えてください
- 電圧変換機
- 風邪薬
- モバイルバッテリー
- 圧縮袋
- シャンプー(アメニティのものが日本のシャンプーに比べてあまり泡立たず、量も少なかった)
- 日本食(サトウのごはんを持ってきていた人がいましたが争奪戦になっていました。)
- インスタントの食べ物(カップ麺やじっくりコトコトなど)
- ビニール袋(ローマのお店の袋は柔らかく、耐久性に欠けていました)
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2週間という短い期間でしたが、今回の留学先国で気づきや発見はありましたか?(文化の違いなど)
また、その国の魅力を教えてください
「食」に対するこだわりが日本とは根本的に異なっていたと感じました。
日本での「オーガニック」系の食品のイメージは、意識が高い・高価である…などが一般的ですが、イタリアではほとんどの食材がオーガニックであり、むしろそうでない食品を探すほうが困難であるほどでした。
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「安ければよい・早く提供できればよい」という考えの日本とは根本的に異なっており、ローマの市場やスーパーで売られている乳製品や野菜はローマ産だけでなくサルデーニャ産などのものもあったり、卵には1つ1つ情報が追跡できるシリアルナンバーが記載されていました。
また、2週間生活してみて、みんないい意味で「あまり考えてすぎてない」な、と感じる機会が多かったです。
車が来ていても道路はひとまず渡ってみるし、美術館などの警備役の人も椅子に腰かけているだけで、気を張りすぎていない感じがとてもいいなと思いました。
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現地でお気に入りのお店や場所はありましたか?
ホテルから近かったためトレビの泉には自然と何度も足を運んで、朝・昼・夜のすべてのトレビを見ることができてよかったです(夜のトレビの泉が一番好きでした)
また、コロッセオが思っていたより壮大で、見ていて飽きませんでした。
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ローマで見つけたアクセサリー屋さんで買ったアクセサリーはいまも大切に日本で使っていますし、「Giapponese?」ときさくに話しかけてくれたピザ屋さん、たくさん味見させてくれたジェラート屋さん、お土産代を少しまけてくれたギフトショップなど、思い入れの深いのお店ばかりです。
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現地のスタッフから、リーダ/サブリーダーとして何か任されたこと、依頼されたことはありましたか?
またはご自身でリーダー/サブリーダーとして何か行動されたことはありましたか?それはどのようなことでしたか?
毎日、集合した際の点呼や、全体への伝達事項の共有は行っていました。
また、LINEグループを活用して写真を共有したり、情報交換のためのプラットフォームを整えたりして、みんながより快適に過ごせる工夫を行いました。
今回のプログラム参加経験は、ご自身に何か影響を与えましたか?
やはり海外は環境が大きく異なるため、自分の視野が圧倒的に広がったと感じました。
何か悩むようなことがあっても「でも、イタリアだとこうなるだろうな」など、思考のフローチャートの選択肢が大幅に広がり、精神的な安定にもつながると思います。
また、他国からみた日本をとても意識するようになりました。
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最後に、分野別短期研修への参加を考えている方にメッセージ(お勧めポイントなど)をお願いします!
私のように「長期で行くのは…」と、期間でのデメリットが気になってしまう人、また「語学レベルがあまり高くない」と思っている方も、サポートも手厚いうえに日本人のみんなと行動するのであまり気にしなくても大丈夫だと思います!(せっかく海外に行くのに日本人とずっと一緒にいるのは…と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、アジアならまだしもヨーロッパは基本的に日本語は通用しませんので、否が応でもみんなで英語を話すことになります。必要以上に英語を話す機会が失われるようなことはありませんので、ご安心ください。また、今回も少しありましたが、ヨーロッパはトラブルが多い環境です。そのような場合に母国語で相談できる相手がいるのは非常に心強かったです。)
プログラムがとてもユニークでめったにできない経験ばかりで、本当に行ってよかったと思っています。
留学を迷っている方は、ぜひ一度短期留学も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
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レポートと本当にたくさんのお写真をありがとうございます!
山崎さんはリーダー活動とは別に現地でのSNS更新 (@saf_lukaluka) を完璧にやり遂げてくださって、感謝しかないです。
帰国後も70枚以上のお写真を共有してくださって載せきれていないほどなので、大切に使用させて頂きますね。
初開催のローマプログラム、スタッフとしてはドキドキでしたがとても楽しそう、そしてなにより「食」がテーマなだけあって美味しそうで、SNSを拝見しながら(時差的に)毎晩お腹をすかせていました。今このブログを更新しながらまたお腹が鳴っています……!笑
これからも応援しています!
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