中国の南開大学の学生たちが、南アフリカのケープタウンでカスタマイズされたプログラムに参加しました。同大学がこのほどIES Abroad・SAFと提携したことにより可能になったプログラムです。
学生たちは1週間をこの南アフリカの港町で過ごし、変わりゆく中国とアフリカの関係について学びを深めました。中国でも特に大都市である天津の喧騒とは対照的な環境がそこにはありました。
SAFのグローバルアンバサダーである苏子涵(スー・ジハン)は、IES AbroadとSAFを通じてこの類まれな7日間の旅に出て、熱意をもってプログラムを修めました。以下、学生たちが振り返る留学体験や、旅で思い出に残ったハイライトについてご紹介します。

アクティビティの概要
今回の7日間の旅行では、4日間のアクティビティがよく練られて組まれていました。
1日目は、オリエンテーション。南アフリカについての説明とともに、旅程、決まりごと、おすすめの観光名所や食事の場所についてもお話がありました。
2日目は、ケープタウン大学で、アフリカ経済に関するゲスト講義を聴講。
3日目は、南アフリカと中国との関係についてディスカッションを行い、地域の歴史と文化についてさらに学びました。
最終日は、魅力に富んだケープ半島ツアーです。ドイカー島、十二使徒奇岩群、ボルダーズビーチ、喜望峰の灯台などを見学しました。
指導に当たった先生方は、私たちが南アフリカに来るのが初めてで、英語が流暢ではないことに配慮してくれました。講義の内容はすばらしく、わかりやすく明確に話してくださったため、付いていくのは難しくありませんでした。
コースのメリット
SAFは丁寧にコースを開発し、私たちが南アフリカの理解を深められるように工夫しています。
コースに参加した当初、私は教科書やインターネットでの情報以外に南アフリカについて何も知らず、しかも調べた情報も間違っていました。そんな私に、現地の専門家が南アフリカの経済や社会、発展の展望について論じてくれました。インタラクティブな学びを通じて、理解や問題解決の力も向上できました。
さらに重要なのは、さまざまな文化について国際的な視野で考え、オープンで寛容な姿勢をもって多様な世界観を受け入れるようにと促してくれたことです。
こうしたセミナーのおかげで、国に対する知識が得られただけでなく、学業や人生での成功の可能性も高まりました。
政治学専攻の学生は、これらのセミナーでアフリカの政治体制を研究する新たなアプローチが得られ、それは今後も生かすことができるだろうと語っています。
中国語・中国文化専攻の学生は、このプログラムがグローバルな観点から中国文化を再考するのに役立ったといいます。文化を超えた言語学習の必要性や課題について理解し、将来、教育や文化普及に取り組む礎となるでしょう。
私は財政学を専攻しているので、今回の旅は、外国の経済を理解するのに有益でした。南アフリカ経済がいかに発展しているか、その可能性や課題とは何かを目の当たりにし、グローバル経済に対する知見が高まりました。研究者や専門家として前進するには、こうした実務的な専門知識が不可欠です。
宿泊
ホテルは岸辺から100メートルほどの場所に立ち、部屋から海が見わたせました。静かで安全な地区で、自然に囲まれた環境です。泊まったツインルームは、想像を上回る、充実した設備でした。バスルームやベッドも快適でした。ホテルスタッフは親しみやすく、親身に接してくれて、すばらしい滞在になりました。
食事

ホテルでは、ディナー2回と、ビュッフェのフルブレックファスト1回が提供されました。朝食のセレクションは、フルーツボウル、ヨーグルト、パン、カップケーキ、その場で調理する卵料理、ベーコン、ソーセージ、魚のフライ、チキン、ジュース、コーヒー、紅茶など。夕食のメニューは、ローストラム、チキン (胸肉ともも肉)、魚のフライ、ボリュームたっぷりのスープなどがありました。
加えて、IES AbroadとSAFがディナー2回を用意してくれました。特製ポテトサラダやラザニアなどです。さらに近隣のレストランで本格派の南アフリカ料理を味わうこともできました。地元の人が調理する料理で、現地の食文化を体感することになりました。
ハイライトは、南アフリカ料理店「Gold」での外食です。このレストランでは、鹿肉のパイやダチョウのサラダといった伝統的な南アフリカ料理が味わえます。ダイニングエリアでは、パフォーマーがアフリカンドラムの演奏、伝統的なダンス、民謡の歌唱などを披露し、南アフリカの豊かな文化や魅力が堪能できました。
買い物
お店に買い物に出るのは最高でした。安全を考慮して、先生方も買い物に同行してくれました。ケープタウンでは、お気に入りのお菓子やお土産に加えて、食料品の買い出しもしました。空港やケープ半島でも、国に持ち帰るのにぴったりなお土産が見つかりました。お店に並んでいた商品は、値段が手ごろで高品質なものばかりです。
交通
安全のため、移動はレンタカーを使いました。ドライバーは時間に正確でフレンドリー、安全運転で、好印象を受けました。空いた時間に南アフリカや中国について一緒にお話ししたのも楽しい体験でした。
クラスメイトや先生との関わり
南開大学の学生15人で南アフリカに渡航しました。私たちはほかの学生とペアを組み、オンラインで定期的に話をしていましたが、ありがたいことに、対面でも仲よくなれました。さまざまな専攻分野の学生が共通のテーマについて各専門からの見解を共有することで、新たな洞察と深い議論がもたらされました。世界史専攻とコンピュータネットワークセキュリティ専攻の学生がホテルで同室になり、それぞれの分野の問題について夜が更けるまで話をしたそうです。私とルームメイトは2人とも財政学を学んでいたので、お金と経済について話すのが好きでした。こうした経験を通じて、絆が深まりました。
南開大学国際協力交流室のZheng(チュン)教授が私たち一行が安全に過ごせるように引率し、買い物旅行のコーディネートもしてくれましたので、一緒にいて心強く、アドバイスもありがたく思いました。David(デイヴィッド)、Jody(ジョディ)、 Devonne(デヴォンヌ)、Ashleigh(アシュレー)、Chelsea(チェルシー)といったIES Abroad現地スタッフも親切にしてくれました。最初に会ったのはオンラインですが、私たちの健康を気づかい、食習慣に合わせたお菓子や食事を作ってくれて、安心しました。いい関係を築くことができ、おかげで充実した海外留学になりました。
プログラムのゲスト講師もすばらしい方々でした。限られた時間ながらも、講義はどれも興味深く、刺激になりました。
プログラムの最大の収穫

最も有益だったのは、グローバルな視点と実務に役立つスキルを養ったことです。南アフリカの社会史、経済史、文化史について、教科書ではなく実地体験から学びました。ここで広範な知見を得たおかげで、国際問題について明確かつ分析的に論じ、複数の観点から見ることができるようになりました。さらに、新たな状況に迅速に適応し、うまくコミュニケーションができるようにもなっています。これは、自国や海外での学習やキャリアに有益に働くことでしょう。
最高の瞬間
ハイライトは、ケープタウンにあるディストリクト・シックス博物館のガイドツアーでした。ディストリクト・シックスは、かつてさまざまな人種が暮らし、活気に満ちた地区でした。しかし1960~70年代のアパルトヘイト政策で「白人居住地域」と宣言され、有色人種の住人が排斥されました。これほど力強い「個人的」な印象をもたらす博物館は今まで見たことがありません。地元住人の言葉、刺繍作品、家族写真などが展示されています。この博物館では、イメージ、語られる記憶、芸術作品などを通じて、ディストリクト・シックスの住人たちの暮らしと悲劇を伝えているのです。
申込みの手順
SAFは、幅広いカリキュラムを注意深く計画し、プロジェクトを通じて私たちをサポートしてくれました。インストラクターの方々も私たちの安全や学習成果について注意を払い、学業でも人としても成長できるように支援してくれました。
このプロジェクトの申込みプロセスを通じて一貫してサポートしてくれたSAFに大変感謝しています。個人的に名前を挙げたい人を2人紹介します。
2024年5月のプロジェクト開始後、SAFスタッフのCrystal(クリスタル)が私たちに連絡をくれて、SAFと大学の通知書を用意してくれました。それからパスポートやビザの申請、チケットの選択、オンラインシステムの入力についても案内してくれました。夏季休暇中でビザ申請が滞ったためにプログラムが延期になりましたが、クリスタルは辛抱強く丁寧に、週末や夜遅くでもWeChatで問い合わせに対応してくれました。そのきめ細かな仕事と専門的な知見に安心させられました。
Li(リ)教授も尽力してくださり、出発前に2回ミーティングを開き、すべてが順調に進むように取り計らってくれました。渡航前には北京首都空港まで見送りに来て、印刷した書類だけでなく、アイマスクなど機内で使う用品も用意してくれました。親身に接してくださり感謝しています。
その2人の先生方のほかにも、細やかなサポートをしてくれたSAFスタッフが複数います。SAFの助けがあってこそ、無事に海外留学の旅を終えられたのです。ありがとう、SAF!
SAFカウンセラーとの面談を予約し、海外留学の可能性についてさらに知ってください。
スー・ジハンの写真
