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miwa_okajima_04.jpg氏名: 岡嶋 美和 (Miwa Okajima)
所属大学: 中央大学 法学部 政治学科
留学先大学: アメリカン大学 ワシントン・セメスター・プログラム (アメリカ)
留学タイプ: 1年間 (国際キャリア開発プログラムアカデミック・インターンシップ・プログラム/認定留学扱い)
留学開始時期: 2012年8月
留学時の学年: 3年生

今回の留学はどのように決めましたか?
私の留学動機は、主に以下の三つです。
小学校英語に磨きをかけること、外交を自らの頭で考えること、そして挫折を経験することです。一点目に、幼少期をカナダとマレーシアで過ごしていた経験があり、いわゆる帰国子女としてまずまずの英語力を有してはいたのですが、「聞き取りと発音はできても頭は小学生のまま」というコンプレックスを抱えたままでした。自分の真の実力を知り、活き活きとした環境で英語を学ぶべく、留学をしようと決めました。二点目に、将来国際関係に携わりたい身として、自分自身で外交の展望を描きたかったからです。与えられた環境や日本語の文献・メディアに囲まれた状況から一歩離れ、より客観的に、自分の頭で熟考してみようと決意しました。三点目に、挫折は当時の自分に不可欠だと感じていました。これまでしたことがないという訳ではないのですが、当時自分が日本にいるまさにその瞬間、他国の学生が必死になって勉強している姿を頭に思い浮かべると、より競争的な環境に身を置くことで、自分に喝を入れる必要があると感じていました。
以上三点の動機を満たすべくSAFの方からご紹介頂いたのが、アメリカの首都ワシントンDCにあるアメリカン大学のワシントン・セメスター・プログラム(WSP)でした。もともと世界中から留学生が集まるアメリカで学びたいと心に決めていたのですが、国際政治の中心地であるDCにて実務(インターン)と学問を両方学べるこのプログラムを伺った瞬間、まさにこれだと思いました。

miwa_okajima_10.jpg WSPの授業内容や授業スタイル、研修旅行などについて詳しく教えてください。
WSPは全米各州と世界中から1学期(約4ヶ月の)間DCに集結し、それぞれのテーマに合わせて週2日のインターンシップと週3日のゼミを提供するプログラムです。ゼミは主に週一回の講義、及び(または)クラスメイトからのプレゼン、そして毎週3~4人のDCの立地を活かしたゲストスピーカーの講演・質疑応答で構成されています。招かれるスピーカーは、IMF、世界銀行等の国際機関、大使館や国務省・国防省等の政府機関、議員、シンクタンク、草の根NGOまで、背景は見事に様々です。インターンでの実務経験と合わせて、活き活きとした環境で自分の研究したい分野を学べるカリキュラムとなっています。テーマは「アメリカ政治」、「グローバル経済とビジネス」、「国際法と国際機関」、「ジャーナリズム」、「正義と法」等、全10コースから好きな分野を選択できることから、私は秋学期に「中東と世界問題(Middle East & World Affairs、以下MEWA)」、春学期に「外交政策(Foreign Policy、以下FP)」を選択しました。MEWAは中東の歴史から始まり、週ごとに国やテーマが設置されます。比較的少人数(12人)だったので教授とのディスカッションが多かったです。目玉は何と言っても中東への研修旅行で、2012年秋はトルコとヨルダンに三週間滞在することができました。当初はトルコの代わりにエジプトでしたが、在リビヤ米大使館襲撃事件による情勢の不安定という理由で、変更を余儀なくされました。しかし3ヶ月後に私たちが訪問した在トルコ米大使館にて自爆テロがあったことを考えると、少しぞっとします。なお研修旅行中も、国際政治の渦中にいる方々とお会いする機会を頂きました。トルコでは与党・野党の議員、シリア国民評議会、トルコ外務省、EU省、シリア難民キャンプ。またヨルダンではムスリム同胞団等の野党、シリア大使館、ノルウェー大使館、パレスチナ難民キャンプに伺いました。これまで学んできた、ニュースで見てきた光景が目の前に存在し、最前線で活躍されている方からお話を聞けたことは、今振り返ると恐らく二度とない、貴重な機会であったと実感しています。モスクやペトラ遺跡、死海、イスラエルとの国境であるヨルダン川といった観光のみならず、当地の人々と直に交流できたことで、今まで少なからずもっていたイスラームへの偏見が取れ、「イスラームは文化なのである」ということに改めて気づくことができました。オバマ大統領の就任演説で明けた春学期のFP、授業の形態はMEWAと同様、主に講義、プレゼンそして貴重なゲストスピーカーとの対話です。クラスは前学期の倍の人数(24人)であったため、学生の参画度に重点が置かれていたと思います。扱うテーマもまた週ごとに替わるようになっており、欧米関係、米露関係から始まり、インド、パキスタン、アフガニスタン、中国と、日が経つごとにどんどんアジアへ移っていきます。サイバーセキュリティ―、水問題といった、国単位ではない重要事項も含まれていました。授業の中で私が一番良い経験であったと言えることは、中国系カナダ人とおこなった、尖閣諸島に関するプレゼンでした。その際、それぞれ自国(出生国)の立場を調べて相手に説明し、発表時に互いの見解を代えることにしたことで、より客観的に、問題の本質を浮かび上がらせることができたのではないかと思います。 

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インターンシップ先ではどのような仕事をしましたか?
MEWAでは幸運にも、在米ヨルダン大使館の広報課でお仕事を頂きました。主な業務はアメリカ主要メディアにおけるヨルダン・中東の情報収集及び報告、ホームページ改訂のための情報整理、大使館アカウントのツイッター、イベントの裏方の手伝い等です。大使館初の非アメリカ人というのは大いにプレッシャーで困難もありましたが、週2日の16時間ずっとパソコンの前で英語漬けになりながら外交という仕事に直に携わり、そして上司と良好な関係を築けたことは、何よりの財産であると感じています。FPではワシントンDC日米協会(Japan America Society of Washington DC:以下JASWDC)でインターンをさせていただきました。大使館レベルで外交を見た次は、草の根レベルで日米外交に携わりたいという意志の下、教育的・文化的アプローチで両国の友好関係の発展を目的する非営利組織JASWDCに申し込みました。JASWDCでは、日本語教室の開講の他、53年の伝統を誇る桜祭り(Cherry Blossom Street Festival)、高校生のための全米日本語大会(Japan Bowl)、小学校・図書館訪問プログラム(Japan-in-a-Suitcase、以下JiS)を運営しています。私が担当したJiSは、文字通り日本の文化を紹介できる物(ランドセル、浴衣、折り紙等)をスーツケースに詰め込み、その理解促進を目的としています。インターンはプログラムの広報、クライアントとの調整、プレゼンの内容まで裁量が可能です。任される分責任を伴いますが、プログラムを単なるボランティア精神で担うのではなく、一つの商品として捉え、Plan Do Check Actionのサイクルを繰り返したことはとても勉強になりました。また、人々に直接日本文化を広報する喜びは、この上ないものでした。

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留学生活の中で大変だったこと、思い出に残っていることは何ですか?
自分の英語力の無さ、構成力の無さ、そして自分の勉強に対する受動的な姿勢に悩まされる留学生活だったと思います。小学校英語に裏付けされていた自信は見事に打ちのめされ、英語を話すことに億劫になってしまった自分に悔しさを何度も覚えました。日々膨大に流れている情報も英語力がないゆえにその収集量に周囲と差が生まれ、常に焦っていたことを覚えています。物事を構成する能力がないことも、真っ赤になって返ってきたライティングで証明され、期待通り挫折を経験できたと思います。またそれ以上に、周囲の勉強に対する姿勢といわゆるCritical Thinkingの重大性に圧倒されてしまいました。ゲストスピーカーとの質疑応答を重視するWSPでは、質問の質が学生の良し悪しを決めると言っても過言ではありません。先生からの講義においてもどれだけ先生の話についていき、問題意識を発揮できるかがカギとなります。毎週準備をし、必死に英語を聞き取り、周りがしないような質問をすることはとてもプレッシャーでありました。大変ではありましたが、そのような環境に身を置いてこそ、いかに自分のこれまでの勉強が受動的であったか思い知らされたのです。日本であれば教授の好む部分をただ受け流すだけですが、WSP(アメリカ)では学生が能動的に考えることを重視し、教授自身も自分の見解と違ってもそれを良しとします。今まで自分の意見だと思っていたことも実は周りから影響され、作られたものだと気付いた途端、自分がいかに小さな人間か思い知らされました。
そのように自分の弱点を思い知らされた傍ら、良い思い出もたくさんあります。2012年は4年に一度の大統領選挙の時期だったこともあり、10月に開催された郊外の大学でのオバマの集会、及び1月の大統領の就任演説のために朝4時に起床してメトロに乗り、現地で6時間以上待機したことは一生忘れません。また、春は桜祭りの季節であったため、アメリカ主催のNational Cherry Blossom Festivalの数々のイベントに招待されただけでなく、JASWDCの桜祭りに主催者側で携われたことは、かけがえのない思い出です。また、その際以前大学のボランティアで行かせていただいた仮設住宅にDCから桜を通じて何か送りたいと思い、来場者に桜の花びらに名前・メッセージを書いてもらい、それらを200枚以上散りばめた木の絵を完成することができました。100年以上の歴史が刻まれた日米の友好の証である桜を通じて、少しでも日本に元気を送ることができたのは、非常に個人的ですが感慨深いものでした。

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授業以外に取り組んでいたことを教えてください。
課外活動の一環として、私はAUにある日本人学生のためのキャリア支援団体、「座論」に所属していました。座論では主にDC滞在されている社会人の方々や日本に縁のあるアメリカ人の方をお招きして講演会を主催する一方、学生にネットワーキングの機会を提供しています。当初は日本人とあまり関わらないようにしたいと躊躇していましたが、自身の視野を広げるためにも、参加することを決意しました。幹部らと共にミーティングを重ね、熱い議論を交わした甲斐もあり、2学期間で開催した講演会は計11回に上り、学者、コンサル、商社、IMF・世銀、日中大使館公使に至るまで、様々な分野からお呼びすることができました。座論を通じて得た企画力・調整力・実行力、及び伺うことができた貴重なお話は、今後の就職活動とその先社会人になっても活かされると強く感じています。また、DCでは文字通り毎日にイベントが開催されていることから、シンクタンクの講演会に足を運んだり、道端祭りでボランティアをする等、積極的に外に出ていました。WSPだけに従事していると日常の事務的な作業に追われてしまうので、DCの生活を自分の肌で確かめるためにも、自分で見つけ、主体的に行動するようにしていました。友人関係では、持ち前の行動力と社交性を活かしてクラスで持ち寄りのブランチを企画したこともありました。せっかく世界各国・全米から集まっているこの機会を逃すまいと、またクラスがなるべく早く仲良くなること願って考案しました。美味しい料理を堪能しながら食事中は出身地のプレゼンをして互いの文化を紹介し、時間を有効活用したこの企画は大好評となり、おかげで第二回目も開催することができました。 

miwa_okajima_05.jpg 休暇はどのように過ごしましたか?
週末は初めの頃、観光に充てていたと思います。到着して間もなく、生活と地理に慣れていなかったため、他の留学生と一緒に歴史的建造物やスミソニアンの博物館・美術館を歩き回りました。少し慣れてくるとランニングやテニスといった、体を動かすものを定期的にやっていました。3人一部屋という環境はプライベートが少ないもので、その分良い気分転換になったと思います。もちろん、毎週課題のリーディングがあったので、土日は基本それらをこなしてノートにまとめることに費やしていました。近場でボルティモアやフィラデルフィアに行ったり、$20のバスで4時間かけてNYにも行きました。長期休暇は地理的な利点を活かし、西海岸、東海岸、南米、カリブ海に丸々一か月間バックパック旅行をしました。「再び太平洋を渡ると考えると今しかない」という考えでひたすら赴くままに歩き周りました。これもまたアメリカに留学する特権だと思います。

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これから留学する学生に伝えたい留学先大学(プログラム)、留学先国(都市)の魅力は何ですか?
ワシントンDCはまさに国際政治の中心地ですので、その分野を研究したい人には最高の場だと思います。アメリカの中枢機関をはじめ、世銀やIMFなどの国際機関、シンクタンク、ロビー団体でごった返しています。それらが無料でイベントを開催していることから、実際に有識者の意見を聞き、また周りの雰囲気を感じ取ることができます。ジョージタウン大学やジョージ・ワシントン大学でも講演会などが開催されることから、アメリカのトップレベルの学生と交流できる環境でもあります。また、学問的利点のみならず、スミソニアンの無料博物館・美術館、ワシントン・モニュメント、リンカーン・メモリアル、ジェファソン記念館等、アメリカの歴史的建造物が目白押しです。留学先でなくても、一週間ほど滞在する価値がある自治区であると思います。また、DCに滞在されている日本人の方々は、まさに最先端で日本を支えていらっしゃる方ばかりです。日本で普通の学生生活をしていては決して会えないような方々とお話しできる機会は、DCに留学した学生の唯一無二の特権だと思います。また日本食屋が充実し、食材が手に入る所も人によっては外せない部分です。
WSPはそのようなDCの魅力を存分に引き出してくれるプログラムです。ゲストスピーカーは教授との繋がりがあるからこそ会える方々も多く、毎時貴重な機会だと思います。自分の情報収集力では賄いきれないイベントも知らせてくれるので、新たな視点を提供してくれます。DCでインターンシップができる点も、WSPならではの利点です。恐らく日本でインターンをするよりも競争的で、そして困難な状況である分、得る収穫も大きいのではないのでしょうか。そしてそれ以上に、世界中・全米から集まる学生と共に学べる環境こそ、WSPの一番の魅力です。クラスによって仲が良くなる時期・度合は異なりますが、文字通り世界中に知り合いができることは確かなので、かけがえのない宝になることと思います。

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留学で得られたものはどのようなものがありますか?
大別して「挫折」、マネジメント力、ネットワーキング力の三点です。
大変だったことで述べた、自分の英語力の無さ、構成力の無さ、そして自分の勉強に対する受動的な姿勢は、私が求めていた「挫折」という経験を見事に達成してくれたと思います。とりわけ自分がいかに今まで受動的に、他人の意見を上手く受け流していたか自覚できたことは、今後自分で地に足を付けて考える良いスタートになりました。英語が第一言語でない以上、それだけで情報収集の量、速さ、それに伴い質においてすでに不利な立場にあるのは自明であるので、多角的な視点から物事を捉えることを前提に、日本語でまずはしっかりと深く考え、きちんと思考能力、構成力を涵養することが大切だと思っています。
勉強面以外では、前述の通り、座論を通じて様々な講演会やイベントを催したことで、マネジメント力、より具体的には企画力・調整力・実行力が身についたと思います。これはJiSのインターンでおこなったPlan Do Check Actionのサイクルを繰り返したことにも言えることです。座論を例にすれば、学生(クライアント)の要望に応じて企画の方向性を定め、目的を明確にし、講演者の要望に柔軟に対応して調整をする。講演後はアンケートを実施してフィードバックをもらう一方、議事録を基にレポートを作成し、さらに集客が見込めるように広報をする。この手順を繰り返したことで、より多くのクライアントの需要を満たすことができたと思います。
また、就職活動の一環として、DCに滞在されている日本人の方とのネットワーキングに力を入れたことで、ネットワーキング力も身についたと思います。勉強とのバランスを見ながらできるだけ多くの催しに参加し、お話を伺える機会を逃さないようにしました。その結果、個人、複数を合わせて足を運んだ回数は40に及び、60名以上の方と面識を持つことができました。また、自分のネットワークのみならず、他者と他者を繋ぐ懸け橋役となることで、さらに自分の幅が広がったと思います。様々な職の方からお話を聞くことに注力した分、今まで知らなかった業務内容、価値観に触れることができたのは、留学で得た大きな収穫の一つです。

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留学経験を今後どのように活かしていきたいですか?

上記で述べた「挫折」、マネジメント力、ネットワーキング力の三点は、今後に大いに活かせていけると思います。
自ら主体的・能動的に考える姿勢は受動性が善とされる日本の社会でも必要なものであり、ましてやグローバル化が進む今日、かえって日本に今一番必要な要素なのではないかと思います。将来日本の社会の一員になるという自覚を持ちながら、自らが社会をどのようにしたいのか。過去の自分の良さに気付けた今、自分なりに展望を描けるよう訓練を重ねたいと思います。
マネジメント力は、いかなる職に就くにせよ、仕事に不可欠な能力です。小さな事務作業であれ大きな企画であれ、留学で培った企画力・調整力・実行力を駆使してPlan Do Check Actionを繰り返すことで、業務の改善に貢献するのみならず、自らの向上に繋がると思います。
最後のネットワーキング力は、築き上げたネットワークも含め、生涯に残る財産です。とりわけDCで出会った社会人の皆様には、ご多忙の中お時間を割いていただき、進路相談に乗っていただき、社会人としての心構えをご教示いただきました。出会えたこの幸運をありがたく維持しつつ、頂戴した励みを原動力に、自分の未来を切り開いていきたいと思います。

 

 
   
Last Updated: 4/7/14